古物商許可申請

古物商許可の取得後、個人から法人成りした場合の違いについて

事業開始当初は、個人で古物商許可を取得している場合、売上等が上がり軌道に乗ってきた後に、法人(会社)を設立して、古物営業を行うケースが多くあります。

法人なりした場合、既に個人で取得している古物商許可の有効性の問題が発生してきます。

そこで、今回は古物商許可を個人で取得した後に、法人成りした場合ついて考えていきたいと思います。

古物商許可の取得を検討している方の参考になれば幸いです。

法人化した場合、個人の古物商許可はそのまま使うことができる?


結論から述べると、個人で取得した古物商許可を法人化した場合、そのまま使用することはできません。

法律上、個人と法人は別人格と扱われるため、法人の代表者が古物商許可を取得している人物と同一人であったとしても、法人として新たに古物商許可を取得する必要があります。

その場合、個人で取得した時と同様に、書類を作成し、法人の登記事項証明書等を取得して、再度古物商許可の申請を管轄する警察署に対して行わなければなりません。

また、この際に、誓約書(法人用)が必要になったり、取締役等の役員が複数人存在している場合は、役員全員の身分証明書等も役所で取得する必要があります。

当然、個人で取得していることを理由に、法人で古物商許可を取得しないで営業を行っている場合は、古物営業法違反になりますので、留意しておく必要があります。

個人から法人になる場合は変更届?


営業所の住所が変更された場合や、管理者を変更する場合等については、変更届が必要になります。

しかし、上述したとおり、個人から法人成りした場合は、別人格として扱われるため、新しく許可申請をすることになります。

当然、新規申請ですので、標準処理期間も同様に40日かかります。

ホームページを使用している場合は要注意


個人で買取店等を出店している場合、ホームページの所有者も個人名義になっているケースが多くあります。

このようなケースでは、個人から法人に使用を承諾する旨の使用承諾書が必要になります。

賃貸の場合も使用承諾書が必要?


最近は求められなくなってきましたが、古物商許可を取得する場合、営業所が賃貸であれば、不動産所有者(管理会社)から使用承諾書が必要になります。(現在は、申請の添付書類ではなくなってきています。)

しかし、法人化して古物商許可を取得した後、本来の賃貸借契約では法人での営業が不可(事業用のみ)等にも関わらず、事業を運営していることが発覚した場合、不動産所有者と紛争になる可能性があります。

警察は基本民事不介入なので、このケースで紛争が発生した場合は、手助けはしてくれません。

そのため、事後の紛争を抑制するためにも、法人として古物商許可を取得する場合は、念のため不動産所有者から使用承諾書をもらっておくことをお勧めしています。

事業融資を受けることができない


個人で古物商許可を取得して営業を行い、法人化して法人として古物商許可を取得していない場合は、上述した通り無許可営業になります。

例えば、日本政策金融公庫等で事業融資を受けたいと思った場合にも、当然古物商許可証の提示を求められます。

また、しばらく無許可営業で事業を行って後、許可を取得した場合でも、無許可で営業を行っていた期間がある場合、融資を受ける際に合理的な説明を求められる可能性もあります。

また、最近では銀行口座の開設もハードルが高くなってきているため、法人口座開設の際に、許可証を持っていないと、口座自体が作れないということもあります。

法人で古物商許可を取得するメリット


上記のようなデメリット等もありますが、古物商許可を法人で取得する際のメリットとしては、以下のとおりです。

社会的信用の向上

法人で古物商許可を取得するメリットは色々ありますが、代表的なものは社会的信頼性の向上です。

やはり、個人で取引をするよりも、法人として存在が確実に証明されている事業者と取引をする方が、取引相手にとっては安心です。

まとめ


今回は、個人事業主として古物商許可を取得した人が、法人なりした場合の違い等について考えてきました。

古物商許可に限らず、事業を行う時には営業許可が必要になるケースが多くあるため、無許可営業にならないように注意をしていく必要があります。

営業許可については、法務の専門家である行政書士に相談することも有効な選択肢の一つになります。

最近では低料金を謳っているいる事務所も多くなってきていますが、しっかり相談に乗ってくれる。知識もしっかりしている等、自身にあった専門家を見つけることが大切です。

今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。

古物商許可については、以下の記事も参考にしてください。↓

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