建設業許可を取得するためには、多くの書類の収集・作成が必要になり、煩雑な手続きを進めていくことになります。
また、書面だけで建設業許可取得のための条件を満たしていることを疎明する必要があるため、「何を集めたらいいかわからない。」という事業者の方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は、建設業許可申請において重要な書類の1つ実務経験経歴書について考えていきたいと思います。
建設業許可の取得を検討している建設業者の方の参考になれば幸いです。
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建設業許可申請全般については、以下の記事でも解説しているので参考にしてください。↓
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実務経験証明書とは?
実務経験証明書とは、「建設業法第6条、7条」及び「建設業法施行規則第3条」を根拠として、建設業許可申請時に専任技術者の条件を実務経験で証明する時に、添付することが求められている書類になります。
専任技術者を実務経験で証明したい場合に提出が必要
建設業許可を取得するための条件の1つに、「①経営業務の管理責任者」「②専任技術者」が常勤で業務に従事していることが求められます。
そして「専任技術者」をこれまでの実務経験で問題ないことを証明する時に、「実務経験証明書」が必要になります。
つまり、専任技術者になる方が既に取得したい建設業許可に該当する国家資格等を保有している場合は、実務経験証明書は不要になります。
<大阪府 建設業許可申請書類(法人用)から一部抜粋)>
実務経験証明書の書き方や記載例について
実務経験証明書は、「専任技術者」を実務経験によって証明する際に提出する書類になります。
一般的に、専任技術者に求められる実務経験は10年間の経験が必要です。(指定学科を卒業している場合等は3年、5年に短縮することができます。)
そのため、10年以上、確かに技術者として実務経験があることがわかるように実務経験証明書を作成します。
実務経験証明書の参考様式↓
工事の種類、日付、証明者、証明者との関係
①実務経験を証明する工事の種類
専任技術者となる方が経験している工事の種類ごとに、実務経験証明書を作成します。
建設業の業種一覧については、以下に掲載しておきます。
<参照:国土交通省 建設業許可制度より抜粋>
②日付
こちらは証明した日付を記載します。
例えば、他社で働いていた場合は、他社証明となりますので、証明してもらった日を記載してもらうことになります。
③証明者
実務経験を証明してもらう会社(事業者)の本店の住所、商号(屋号)、代表者の氏名を記載してもらいます。
証明する者は原則として、使用者(法人の場合は代表者、個人の場合は事業主)が証明する必要があります。
印鑑については、法人の場合は法務局に登録している会社実印での押印が必要になり、個人事業主の場合は個人の実印を押印することになります。(印鑑証明書が求められるケースもあるため。)
自己証明の場合
例えば、会社代表者が専任技術者も兼任する場合は、自己証明という形で実務経験証明書を作成することになります。
このようなケースでは、証明者が自身が代表を務めている法人になるため、自身の会社の実印を押印することになります。
(※2022年以降、ほぼ全ての自治体で押印が不要になっています。)
④被証明者との関係
「被」とは~されるという意味を持ちますので、ここでは証明されるものとの関係と言い換えることができます。
つまり、証明する側から見た専任技術者になる方との関係を記載していくことになります。
代表的なものとしては「役員」「社員」「退職している場合は元社員」等を記載していきます。
自己証明の場合で、個人事業から法人成りして建設業許可を取得する場合は、元個人事業主等の書き方をします。
技術者の氏名、生年月日、使用者の商号、使用された期間
⑤技術者の氏名
専任技術者になる方の氏名を漢字で記載します。
当然、別で作成する「専任技術者証明書(様式第八号)」の記載した名前と一致している必要があります。
⑥技術者の生年月日
専任技術者になる方の生年月日を記載します。
こちらも上記⑤で記載したとおり、「専任技術者証明書(様式第八号)」の記載内容と一致している必要があります。
⑦使用者の商号又は名称
使用者(証明をしてくれる建設業者)の商号又は名称を記載していきます。
個人事業の場合は屋号を記載します。
⑧使用されていた期間
専任技術者になる方が実際にその使用者の下で雇用されていた期間を記載していきます。
雇用されていた期間なので、当然、実務経験の年数とズレることもありますが、問題はありません。
職名、実務経験の内容、実務経験年数、証明を得ることができない場合
⑨職名
雇用されていた当時の担当していた役職を具体的に記載していきます。
また、会社代表者が専任技術者も兼ねる場合等の自己証明の場合は、代表取締役と記載します。
⑩実務経験の内容
使用者に雇用されていた期間における自身が携わった工事現場について記載していきます。
また、実務経験の内容を記載するにあたり、工事名等は取得したい建設業許可の業種であることが明確にわかる工事名を記載していく必要があります。
例えば、電気通信工事で建設業許可を取得したい場合は、「電障工事」「電気通信工事」等、現場名で確実に電気通信工事を行っていたことがわかる工事現場を記載していくことが推奨されます。
〇〇工事だけでは、どのような工事を実施したのかわからないため、実務経験として認められない可能性もあるので注意が必要です。
⑪実務経験年数
⑩の実務経験の内容で記載した工事現場で携わった期間を記載していきます。
この経験年数については、12カ月以上の空白期間がない限り、連続した実務経験として認めてもらえます。
例:令和1年6月~令和1年10月 〇〇電気通信工事
令和2年9月~令和3年7月 電気通信〇〇工事
※1年以上の空白がないため連続した実務経験に参入可能
例:令和1年6月~令和1年10月 〇〇電気通信工事
令和2年12月~令和3年4月 電気通信〇〇工事
※令和1年10月~令和2年12月まで1年以上空いているため、連続した実務経験に参入不可。
また、上述したとおり「専任技術者」の実務経験は10年以上あることが必要になるため、実務経験期間の合計が10年以上になっていることが必要です。
⑫使用者の証明を得ることができない場合はその理由
例えば、会社が解散してしまった場合や、個人事業の使用者に雇用されていて、その使用者が死亡してしまった場合等、正当な理由があり、使用者の証明を得ることができない場合は、その理由を記載し、必要があればそのことを証明する資料を添付することになります。
実務経験証明書の記入例
上記の書き方を参照に実務経験証明書の記入例を以下に掲載しておきます。↓
実務経験期間の考え方は?
上述しているとおり、実務経験の期間は原則10年以上必要になります。
実務経験期間の考え方は書く都道府県によって異なることがあるため、実際に申請する場合は、申請先の都道府県がどのようなルールを採用しているか事前に確認してから書類を作成することをお勧めします。
例えば、
①12カ月以上空きがない期間は実務経験としてカウントする
②1年間に1件許可を取得したい工事名を記載すれば1年でカウントする
③実際の工事期間を実務経験としてカウントする
等の方法が考えられます。
ちなみに、大阪府や兵庫県では①が採用されています。
実務経験の信憑性を疎明する資料も必要
実務経験証明書はあくまでも、会社からの申告で証明してもらうものにすぎません。
そのため、実際に工事を行っていたのか?ということを証明する資料も必要になります。
例えば確認資料として求められる代表的なものは以下の書類があります。
①工事の請負契約書
②注文書や請書
③請求書
等の書類が代表的なものです。
そのため、この請求書等に記載されている工事名等が作成した実務経験証明書の工事名や工事期間と一致している必要があるので、疎明する書類が揃っているか、事前に確認しておく必要があります。
また、証明者が建設業許可を取得していた場合は、建設業許可申請書や決算変更届の副本の一部(受領印が押印されている表紙や工事経歴等)を提出することができれば、請求書等は不要になります。
決算変更届については以下の記事で解説しています。↓
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まとめ
今回は建設業許可申請時に必要となる実務経験証明書について考えてきました。
建設業許可を取得する際に、書類等の保管をしていないために専任技術者の実務経験を証明することが難しくなってしまうケースも多々あります。
そのようなことにならないため、実務経験を疎明する資料はしっかりと保管しておくことがとても大切なことです。
建設業許可の手続きに関しては専門家である行政書士に相談すればスムーズに進めていくことが可能になるので、行政書士に相談する方法も有効な選択肢の1つです。
今回の記事が建設業許可取得を検討している方の参考になれば幸いです。
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