建設業許可

建設業許可の専任技術者証明書とは?記載例や書き方を徹底解説

建設業許可を取得するためには多くの書類の作成・収集が必要になり、大変な手続きになります。

建設業許可申請をするにあたり必要になる書類の1つに「専任技術者証明書(様式第八号)」というものがあります。

今回は、この「専任技術者証明書」について解説していきたいと思います。

建設業許可の取得を検討している建設業者の方の参考になれば幸いです。

専任技術者の方に関する実務経験証明書については以下の記事で詳しく解説をしてますので参考にしてください。↓

専任技術者証明書とは?


専任技術者証明書とは、「建設業法第6条、7条」及び「建設業法施行規則第3条2」を根拠として、建設業許可申請時に専任技術者の基準を満たしていることを証明する書面として添付することが求められている書類になります。

専任技術者証明書の提出が必要になるケースは?

専任技術者証明書(様式第八号)が必要になるケースは、建設業許可更新以外の申請において提出が必要になります。

専任技術者証明書の書き方や記載例について


専任技術者証明書は、建設業許可申請等を行う建設業者の方が、各営業所(事務所)において専任技術者がその要件を満たしているということを証明するための書類です。

そのため、営業所に所属している専任技術者全員の記載が必要になります。

また、専任技術者証明書は1枚について3名の方まで記載することができますが、3人以上の専任技術者を申請するケースでは、2枚、3枚と枚数が増えても問題はありません。

以下、専任技術者証明書の参考様式です。↓

以下の項目で専任技術者証明書の書き方について詳しく考えていきます。

申請の区分、日付、宛名、申請者

①申請の区分

自身が申請する建設業許可等の専任技術者について該当している項目を(1)、(2)から選択して〇を記載します。

なお、(2)を選択するケースは、過去に専任技術者として申請していたけれども、交代に伴い削除する時にチェックすることになります。

そのため、専任技術者を削除しないケースでは、(1)を選択することになります。

つまり、簡潔にまとめると、(1)(2)どちらを選択すれば良いかは、以下のとおりです。

(1):専任技術者の申請(新規、追加、変更)
(2)専任の技術者の交代に伴う削除

ただし、ここで注意しておきたいポイントは、(2)の専任技術者の交代に伴う削除の届出については、既に申請している専任技術者を外し、新規で専任技術者を設置する交代の場合にのみ届出ることができます。

したがって、専任技術者の方が退職した場合や、専任技術者としての条件を満たさなくなった場合(常勤性の喪失等)は、建設業許可の変更届という手続きになりますので、間違えないように注意が必要です。

また、(1)を選択した場合では、専任技術者が担当する業種によって「上段を消す、下段を消す、どちらも消さない」といった、いずれかの形式を選択し、記載していかなければなりません。

具体的な消し方は以下のとおりです。

①一般建設業のみ:下段(建設業法第15条2号)削除
②特定建設業のみ:上段(建設業法第7条第2号)削除
③両方に該当するケース:上段下段どちらも削除しない

②日付

申請する日を記載するので作成時点では、空欄にしておきます。

宛名

提出する都道府県等を記載します。

該当しない選択肢は横線で削除します。

④申請者・届出者

建設業許可等の手続きを行う申請者を記載していきます。

押印する印鑑は、建設業許可申請書(様式第1号)で押印した申請者の印鑑と同一の印鑑で押印する必要があります。
※現在は押印が不要になっています。

建設業許可申請書については以下の記事で詳細に解説しています。↓

区分、許可番号

⑤区分

今回の建設業許可等に関する手続きにおいて、申請したい区分を以下の①~⑤の中から選択し、記載します。

①新規許可等

新しく建設業許可等(新規、追加、変更)の手続きを行う場合は、「1」を記載します。

そのため、建設業許可の更新以外の手続きが該当します。

②専任技術者の担当業種又は有資格区分の変更

現在既に建設業許可を受けている場合に、その許可を受けている業種について専任技術者として証明されている者が担当している建設業種やその者の有資格区分に変更があった時は、「2」を記載します。

③専任技術者の追加

現在建設業許可を受けている建設業種について、新しく専任技術者を追加する場合や、既に申請している専任技術者に代わって、新しく専任技術者を追加する時は「3」を記載します。

④専任技術者の交代に伴う削除

既に建設業許可を受けている業種で申請をしている専任技術者を別の者に交代させる際に削除する場合は「4」を記載します。

ただし、上述したとおり、上記(2)(3)による手続きをする場合に限られます。

そのため、後任の専任技術者がいない場合や、専任技術者の退社、専任技術者が要件を満たさなくなったケースでは、変更届という手続きが必要になるので注意が必要です。

⑤専任技術者が置かれる営業所のみの変更

既に建設業許可を受けている建設業種について、既に申請されている船員技術者を、その置かれている営業所のみについて変更する時は「5」を記載します。

⑥許可番号

こちらは、新規で建設業許可を申請する時は空欄で問題ありません。

業種追加や般・特新規のケースでは、大臣知事コードや許可番号、許可年月日の既に取得している建設業許可の情報について記載していきます。

大臣・知事コードについては、「建設業法施行規則(別表一)に記載されていますので、抜粋しておきます。↓

<参照:建設業法施行規則より>

また、「許可年月日」については、複数の建設業許可を受けている場合、有効な許可の中で、一番古いものを記載することになります。

専任技術者の情報

⑦氏名・生年月日

申請する専任技術者の氏名と生年月日を記載してきます。

先頭のフリガナには、専任技術者の姓(名字)の頭文字2文字をカタカナ表記で記載します。(なお、濁点は1文字にカウントしないので、注意が必要です。※「ダ」なら「タ」と「”」を分けずに「ダ」で1マスを使用します。)

そして、漢字で自身のフルネームを漢字とカタカナで記載し、生年月日を記載していきます。

今後担当する建設工事の種類

上記⑦で記載した専任技術者が今後担当する建設工事の種類を選択し、該当する数字を以下から選択して記載します。

以下にコード番号を掲載しておきます。↓

また、併せて大阪府から公表されている手引きからも同様のものを抜粋しておきます。↓

<参照:大阪府のホームページより一部抜粋>

⑨現在担当している建設工事の種類

既に建設業許可を取得している業種で専任技術者として申請されているケースでは、現在担当している建設工事の種類を記載してくことになります。

当然新規で建設業許可を取得する場合は、記載できませんので空欄で提出して問題ありません。

そのため、ここで記載するケースは、「業種追加」「般・特新規」の手続きを行う際に必要となる記入箇所ですので、以下を参考にしてください。↓

⑩有資格区分

専任技術者証明書に記載した専任技術者の資格区分を記載してきいきます。

こちらは、建設業法施行規則「別表二」から該当するものを選択します。

以下に、大阪府から公表されているコード一覧を掲載しておきます。

⑪変更、追加又は削除の年月日

上述した⑤の区分で「2」~「5」を選択した場合、その変更、追加、削除をした日付を記入します。

そのため「1」を選択した場合は、空欄でも問題ありません。

⑫専任技術者の住所

住民票上に記載されている専任技術者の住所を記載してきます。

住民票と現在の居宅が異なっている場合は、両方記載する必要があります。
また、その場合、現在の居宅についての疎明資料が添付することになります。

⑬営業所の名称

申請する専任技術者が所属している営業所(事務所)を記載してきます。

新規申請の場合は、新所属の記載のみで問題ありません。

専任技術者証明書の記載例


上記の書き方を参照に専任技術者証明書の記入例を以下に掲載しておきます。(新規で申請する場合)↓

専任技術者証明書記載例

また、専任技術者に関連する書類に「専任技術者一覧表」というものもあります。
「専任技術者一覧表」については、以下の記事で詳しく解説しています。↓

まとめ


今回は、建設業許可手続きに必要となる書類の1つ「専任技術者証明書」について考えてきました。

建設業許可は煩雑な手続きになるため、建設業許可の取得等を検討している建設業者の方は、ぜひ法務の専門家である行政書士に相談することをお勧めします。

今回の記事が建設業者の方の参考になれば幸いです。

以下の記事もよく読まれているので参考にしてください。↓

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