建設業許可

建設業許可申請書の記入例や書き方を徹底解説

建設業を営んでいる建設業者の方の中で建設業許可の取得を検討されている方は多くいらっしゃると思います。

建設業許可を新規で取得する場合、多くの書類を作成、収集し、行政に対して提出する必要があります。

その書類の1つに「建設業許可申請書」というものがあります。

今回はこの「建設業許可申請書」の書き方や記入例について書いていきます。

建設業許可を新規で取得したい建設業者の方の参考になれば幸いです。

建設業許可全般については以下の記事で解説をしていますので参考にしてください。↓

建設業許可申請書とは


建設業許可申請書が必要になる根拠は、建設業法第5条及び建設業法施行規則第2条が根拠になります。

上記、建設業法第5条及び建設業法施行令第2条では以下のように規定されています。

建設業法第5条

一般建設業の許可を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣に、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事に、次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。
一 商号又は名称
二 営業所の名称及び所在地
三 法人である場合においては、その資本金額(出資総額を含む。第二十四条の六第一項において同じ。)及び役員等(業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者をいう。以下同じ。)の氏名
四 個人である場合においては、その者の氏名及び支配人があるときは、その者の氏名
五 その営業所ごとに置かれる第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者の氏名
六 許可を受けようとする建設業
七 他に営業を行つている場合においては、その営業の種類
(建設業法第5条 一部省略)

建設業法施行規則第2条

第二条 法第五条の許可申請書及び法第六条第一項の許可申請書の添付書類のうち同条第一項第一号から第四号までに掲げるものの様式は、次に掲げるものとする。
一 許可申請書 別記様式第一号
(建設業法施行規則第2条 一部省略)

つまり、大阪に限らず、全国どこで建設業許可を新規で取得する場合には、建設業許可申請書の提出が必須になります。

建設業許可申請書は、国土交通省のHPからもダウンロードできますので、以下にURL掲載しておきます。↓

国土交通省 許可申請の手続き

建設業許可申請書は建設業許可を取得するには必ず必要な書類


上述したとおり、建設業許可申請書は建設業法を根拠に提出が求められているため必ず作成し、提出しなければなりません。

そのため、例えば大阪府で建設業許可を取得する場合でも必ず必要になります。

<参照:大阪府 建設業許可申請書類(法人用)より抜粋>

建設業許可申請書の書き方や記入例


以下の建設業許可申請書の書き方や記入例について解説していきます。↓

申請日、宛名、申請者

①申請日

申請日は提出する際に記載すれば良いので、建設業許可申請の受付窓口に持って行った時に記載することになります。

②宛名

宛名は該当する許可権者を宛名に記載します。知事許可の場合は各都道府県を記載することになります。

なお、非該当の部分は横線で消すことになっています。

申請者

法人で許可を取得する場合は、法人の所在地、商号、代表者名を記載します。
個人の場合は商号又は名称、代表者名を記載することになります。

また、自治体によっては押印が必要なケースもありますが、この場合は全ての書類に押印する印鑑と同じ印鑑で押印することになります。(大阪府や兵庫県では押印は廃止されています。)

また、登記上の住所とは別の事務所で営業しているケースでは、

(登記上)大阪府大阪市〇〇区1-2-3
(事実上)大阪府豊中市〇〇1-2-3

といった形で、所在地を分けて記載することもあります。

行政庁記入欄、許可の有効期間の調整

④行政庁記入欄

こちらは、行政側が記載するところに該当するため、空欄のままにしておくことになります。

⑤許可の有効期間の調整

こちらは、既に他の業種等で建設業許可を取得している場合は、許可の有効期間を今回の申請に合わせることを希望するかどうかを記載する箇所になります。

有効期間を合わせたい場合は「1」
有効期間を合わせない場合は「2」

を記載します。

許可を受けようとする建設業、申請時において既に許可を受けている建設業

⑥許可を受けようとする建設業

建設業許可取得を申請する業種のマスに、「一般建設業の場合は1」を記載し、「特定建設業の場合は2」を記載します。

なお、違う業種であれば一般建設業と特定建設業は同時に申請することも可能です。

申請時において既に許可を受けている建設業

今回の申請前に既に建設業許可を持っている業者があれば、上記⑥と同様に「1」or「2」を記載することになります。

初めて建設業許可を取得する場合は、記載することができませんので、そのようなケースでは空欄のままでも問題ありません。

参考に各建設業許可の略号と一覧を以下に掲載しておきます。↓

<参照:東京都 八丈町公表資料より>

商号又は名称

⑧商号又は名称のフリガナ

法人の場合は会社名を記載し、個人事業の場合は屋号を記載します。

ここで注意しておきたいところは、古物商等の申請書では濁点(プ等)の(”)は1文字として扱いますが、建設業許可申請書では「プ」で1マスを使用します。

また、株式会社や合同会社等の名称は、⑧のフリガナの部分では不要ですので、会社名のみ記載することになります。

⑨商号又は名称

上記⑧で記載した商号又は名称を記載します。
株式会社は((株))、合同会社は((同))といった形で略号で記載することになります。


<参照:土浦市公表資料から一部抜粋

代表者又は個人の氏名

⑩代表者又は個人の氏名のフリガナ

会社の代表者の氏名、個人事業主の場合は個人事業の代表者の氏名のカタカナを記載していきます。

ここでも上記⑧と同様に濁点は1文字としてカウントしないので注意が必要です。

また、姓名の間は1マス空欄にしておく必要があります。

⑪代表者又は個人の氏名

上記⑩で記載した代表者の氏名を記載していきます。

ここでも姓名の間は1文字空欄にしておく必要があります。

また、代表取締役等の肩書の記載は不要です。

支配人がいる場合は支配人の名前も記載することになりますが、いない場合は空欄にしておいて大丈夫です。

所在地市区町村コード、所在地

⑫主たる営業所の所在地市区町村コード

主たる市区町村コードを記載していきます。

全国の主たる市区町村コードについては、総務省から公表されていますので参考にしてください。↓

総務省 全国地方公共団体コード

また市区町村コードの右欄には、主たる営業所の都道府県名と市区町村を記載していきます。

⑬主たる営業所の所在地

主たる営業所の住所を上記⑫の市区町村の続きから記載していきます。

注意すべき点は、「〇丁目〇番地〇号」表記ではなく、全て「ハイフン」で記載しなければならないので、注意が必要です。

郵便番号、電話番号、ファックス

⑭郵便番号、電話番号、ファックス

主たる営業所の郵便番号、電話番号、ファックス番号を記載していきます。

また、郵便番号、電話番号は左詰めで記載していく必要があります。

ファックスを設置していない場合は、該当なしと記載します。

郵便番号の検索は日本郵便のホームページから検索することができます。↓

日本郵便株式会社ホームページ

法人又は個人の別、資本金、法人番号、兼業の有無

⑮法人又は個人の別

法人で建設業許可を取得する場合は「1」を記載し、個人事業主として建設業許可を取得する場合は「2」を記載します。

⑯資本金

法人で建設業許可を取得する場合は、現時点の資本金の額を記載します。

なお、単位は千円ですので、資本金が5,000,000円の場合は「5,000(千円)」と記載します。

また、建設業許可を取得するためには財産的基盤がしっかりしているということを証明する必要があります。

一般的には資本金が500万円以上あることで、財産的基盤の要件を満たしますが、資本金が500万円入っていない場合は、残高証明書等で500万円以上の財産的基盤があるということを立証していくことになります。

残高証明書については以下の記事で解説をしていますので参考にしてください。↓

⑰法人番号

建設業許可を取得する法人に割り当てられている法人番号を記載してきいきます。

なお、法人の登記事項証明書にも法人番号は記載されていますが、この場合の法人番号は、登記事項証明書等を取得する場合に使用する12桁の番号ですので、建設業許可申請書に記載する法人番号とは異なり、申請書に記載する法人番号は国税庁から指定される13桁の番号を記載することになります。

国税庁が指定している法人番号は、国税庁のホームページから確認することができますので、下記に掲載しておきます。↓

国税庁 法人番号公表サイト

⑱兼業の有無

建設業以外の事業を兼業で行っている場合は「1」を記載します。
また、兼業を行っていない場合は「2」を記載します。

兼業を行っている場合は、右欄に兼業を行っている事業の種類を記載します。(不動産業、産業廃棄物収集運搬業、運送業等)

許可換えの区分、旧許可番号

⑲許可換えの区分

既に建設業許可を持っている場合は、こちらも記載していきます。
自身に該当する区分に合わせて「1」~「3」を記載します。

なお、建設業許可を初めて取得する場合は、空欄で問題ありません。

⑳旧許可番号

現在取得している建設業許可についての「大臣・知事コード」「許可番号」「許可日」を記載していきます。

大臣コード等については、上述している「建設業法施行規則」の別表一から該当する分類に従って、該当するコードを記載していきます。

以下、「建設業法施行規則」からコード一覧を抜粋しています。↓

また、現時点で2つ以上の建設業許可を受けている場合において、異なる許可年月日が複数ある時は、その許可年月日の中で最も古い許可年月日を記載することになります。

連絡先

㉑連絡先

建設業許可申請の手続き等についての質問等に対応する担当者を記載していきます。

代表者が対応する場合は、代表者の名前を記載しても問題ありませんし、総務部等の別の部署の担当者が対応する場合は、その者の名前等を記載しても問題ありません。

建設業許可申請書の記載例


上記の内容を考慮して、建設業許可申請書の記載例を以下に掲載しておきます。↓

建設業許可申請書記載例

まとめ


今回は建設業許可申請書の書き方や記載例について考えてきました。

建設業許可申請は多くの書類が必要になり、建設業許可を取得するための条件を満たしていることを立証する書面等の提出もしなければなりません。

そのため、多くの労力がかかり、とても大変な作業になります。

建設業許可申請の手続きは法務の専門家である行政書士に依頼する方法も有効な選択肢となりますので、建設業許可についてはぜひ行政書士に相談してみてください。

今回の記事が建設業者の方の参考になれば幸いです。

以下の記事も良く読まれていますので参考にしてください。↓

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