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就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)で働く派遣の外国人|令和8年2月の入管庁発表で押さえる運用ポイント

「技人国(技術・人文知識・国際業務)」で雇用した外国人を派遣形態で稼働させたい——。
IT・通訳・マーケ・設計などでニーズが増える一方、派遣は“活動内容の把握が難しい”という性質上、入管審査での見られ方が変わりやすい領域です。

そこで本記事では、令和8年2月に出入国在留管理庁が公表した「技人国×派遣」の取扱いをベースに、企業側が実務で困りがちな
派遣先確定/在留期間/確認の対象/提出書類を、申請(認定・変更・更新)に落とし込んで解説します。

目次
  1. そもそも「技人国×派遣」は何が難しい?
  2. 令和8年2月公表:派遣就労の運用ポイント(結論)
  3. 提出書類はどう変わる?(誓約書・派遣契約資料)
  4. 在留期間はどう決まる?(派遣契約期間との関係)
  5. 審査で見られるところ:派遣元だけでなく派遣先も
  6. 現場で刺さる実務:失敗しないためのチェックリスト
  7. よくある質問(Q&A)
  8. 当事務所のサポート

そもそも「技人国×派遣」は何が難しい?

「技人国」は、学歴・職歴に裏付けられた専門的業務に従事する在留資格です(例:エンジニア、通訳、デザイナー、語学教師、マーケティング等)。
ここに派遣形態が絡むと、入管が確認したいポイントが増えます。

  • 誰の指揮命令下で、どこで、何をするのか(派遣先業務の具体性)
  • 業務が「技人国」の範囲に収まるか(単純作業・現場作業の混入リスク)
  • 契約関係が整合しているか(雇用契約+派遣個別契約の一致)
  • 派遣先が変わる可能性(“未確定”があると活動の特定が難しい)

つまり、派遣は「便利」な反面、書類で活動を立体的に説明できないと不利になりやすい——これが本質です。

令和8年2月公表:派遣就労の運用ポイント(結論)

ポイントは4つです。

  1. 派遣先は申請時点で確定が前提(未確定のままでは許可が難しい)
  2. 派遣契約期間に応じて在留期間が決定
  3. 審査では派遣元だけでなく派遣先にも確認が及びうる
  4. 誓約書(派遣元・派遣先)+派遣契約関連資料の提出が明示

実務的に言い換えると、これまで「派遣会社側の説明」で通りやすかったケースでも、
今後は派遣先の業務・受入体制まで含めて“最初から固める”方向に寄っています。

提出書類はどう変わる?(誓約書・派遣契約資料)

「技人国×派遣」では“派遣であることを裏付けるセット”が重要になります。
具体的には、次の方向性が実務上のポイントになります。

1) 誓約書:派遣元・派遣先の“両方”

  • 派遣元(所属機関)用:適正就労・活動内容・管理体制など
  • 派遣先用:受入業務の適法性、活動内容の範囲、協力姿勢など

ここが肝です。派遣先が「うちは現場に入ってもらう予定」など曖昧な理解のままだと、
誓約書が形だけになり、審査で矛盾が出やすくなります。

2) 派遣契約関連資料:業務内容と期間が“噛み合う”こと

代表例として、次のような資料を整備しておくのが安全です。

  • 労働条件通知書(雇用契約書)の写し(派遣元との雇用)
  • 労働者派遣個別契約書の写し(派遣元⇄派遣先の個別契約)
  • (実務上)職務内容説明、配属先組織図、指揮命令系統、プロジェクト概要 等

入管に伝えるべきは「派遣」そのものではなく、“技人国の活動を、派遣先で、契約に沿って行う”という一点です。
そのため、雇用契約と派遣個別契約で業務内容・就業場所・期間・報酬がズレないように設計するのが安全策です。

在留期間はどう決まる?(派遣契約期間との関係)

企業にとってインパクトが大きいのが、「派遣契約期間に応じた在留期間」という考え方です。

実務の落とし穴

派遣個別契約が3か月更新の設計だと、活動の安定性が見えにくくなります。更新・変更の実務負担が増える可能性があるため、
契約期間の設計は慎重に。

おすすめの考え方

  • 派遣個別契約の期間設計を、プロジェクトの実態に寄せる
  • 短期案件が多い場合は、キャリアパス(次案件の想定)とスキル適合性を文章で補強
  • 派遣先変更があり得る業態では、「派遣先未確定」で出さない運用に切り替える

審査で見られるところ:派遣元だけでなく派遣先も

派遣就労では、審査の過程で派遣元だけでなく派遣先に対しても、申請人の業務内容等の確認が行われる場合があります。

派遣先に確認が入るとき、見られやすいポイント(実務目線)

  • 申請人が行う業務が技人国に該当するか(単純作業の混入がないか)
  • 派遣先の現場での指揮命令・評価・勤怠の運用が明確か
  • 派遣契約と実態(場所・期間・業務)が一致しているか
  • 派遣先が、照会に対して説明できる体制を持っているか

だからこそ、申請前に「派遣先担当者が説明できる状態」を作っておくことが、結果的に最短ルートになります。

現場で刺さる実務:失敗しないためのチェックリスト

チェック1:派遣先は“申請時点で確定”しているか

未確定要素があると活動特定ができず不利になりやすい。契約締結→申請の順に整えるのが安全です。

チェック2:職務内容が「技人国」の範囲に収まるか

“エンジニア”名目でも、実態が検品・梱包・清掃・単純入力中心だとアウトになり得ます。
仕事内容は成果物・使用技術・判断業務で説明できるようにしておく。

チェック3:雇用契約と派遣個別契約で「業務・場所・期間」が一致しているか

ズレは照会の原因。契約書の整合性は“最強の防御”です。

チェック4:誓約書(派遣元・派遣先)を“説明できる文章”で作れているか

テンプレを埋めるだけでなく、派遣先が理解して署名できる状態に。

チェック5:在留期間を見据えた「契約期間設計」になっているか

派遣契約期間に応じて在留期間が決定される前提で、契約期間・更新設計を見直す。

よくある質問(Q&A)

Q1. 派遣先が変わる可能性があるのですが、まとめて申請できますか?

方向性としては申請時点で派遣先が確定していることが重要です。実務的には「確定してから申請」に寄せるのが安全です。

Q2. どんな書類を用意すればよいですか?

少なくとも、誓約書(派遣元・派遣先)と、派遣契約関連資料(労働条件通知書/派遣個別契約書 等)の整備が重要です。
さらに、職務内容説明書・プロジェクト資料・体制図などで「専門業務」を補強すると通りが良くなります。

Q3. 在留期間が短くなることはありますか?

派遣契約期間の設計次第で、更新頻度が増え、企業・本人双方の負担が上がりやすいため注意が必要です。

Q4. 派遣先に入管から電話が来ることはありますか?

審査の過程で、派遣元だけでなく派遣先にも確認する場合があります。申請前に、派遣先担当者と業務内容についてできること、できないことを説明し、理解を得ておくと安心です。

当事務所のサポート(技人国×派遣:書類設計から一気通貫)

「技人国×派遣」は、“職務内容のヒアリング作り込み”“契約書の整合”で結果が変わります。
行政書士として、派遣元・派遣先それぞれの実態をヒアリングし、入管が確認したいポイントに沿って
誓約書・職務内容説明・契約関係のストーリーを組み立てます。

  • 在留資格認定(COE)/変更/更新の方針設計
  • 派遣先業務の適合性チェック(“技人国でOKな業務”への言語化)
  • 誓約書(派遣元・派遣先)と派遣契約資料の整備
  • 補強資料(体制図・工程・成果物)の作成支援

ご相談は当事務所サイトより承っています:
行政書士法人Zip国際法務事務所(綿谷法務)


※本記事は、令和8年2月に公表された「技人国×派遣」に関する情報を踏まえ、一般的な実務整理としてまとめたものです。
個別案件は契約形態・業務実態により判断が異なります。

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