建設業許可の取得には社会保険(健康保険や厚生年金等)に加入しておく必要があります。
一人親方の場合や、従業員を雇用せず代表取締役1人で会社を運営しているようなケースでは、雇用保険の加入はありません。
そのため、従業員を雇用している会社等で建設業許可を取得する時に忘れがちになる雇用保険の確認書類について今回は考えていきます。
建設業許可の取得を検討している方の参考になれば幸いです。
雇用保険とは?建設業許可取得に必要な疎明資料は?
雇用保険とは、政府が管掌する強制保険制度のことを言います。
1,労働者が失業してその所得の源泉を喪失した場合、労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合及び労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に、生活及び雇用の安定並びに就職の促進のために失業等給付及び育児休業給付を支給
2,失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図るためのニ事業を実施
上記2つを実施する雇用に関する総合的機能を有する制度です。
・参照:厚生労働省のホームページ
建設業許可を取得するために必要な確認資料
従業員を雇用している場合は、雇用保険に加入する必要があります。
そして、建設業許可を取得する場合、雇用保険に加入していることを確認する書類として、以下の書類が求められます。
・「労働保険概算・確定保険料申告書」及び「領収済通知書」
・「労働保険料等納入通知書」及び「領収済通知書」
雇用保険等の社会保険についての詳細は以下の記事でも詳しく解説をしています。↓
2022.04.16
建設業許可取得における社会保険(健康保険等)について
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労働保険概算・確定保険料申告書、領収通知書とは
「労働保険概算・確定保険料申告書」とはその名称のとおり、労働保険料の概算金額や確定金額を記載する書面になります。
また、「領収通知書」とは支払うべき金額を記載して、保険料を支払うための書面です。
厚生労働省から記入見本が公表されておりますので、以下に掲載しておきます。↓
<参照:厚生労働省ホームページより抜粋>
従業員を1人でも雇用している場合は、上記書類の控えを事業所に保管しているはずなので、確認資料として建設業許可申請を行う際に、提出先に提示する必要があります。
領収通知書の控がない場合
建設業許可を取得したい事業者の方の中には、「上記「領収通知書」を紛失しているけれども、許可を取得できますか?」というご質問を受けることもあります。
このような場合は、「領収通知書」に変えて、以下の書類を準備することで対応可能です。(大阪府の場合)
労働保険料等納入証明願を交付してもらう
例えば、大阪で建設業許可を取得したい場合は、大阪労働局長に対して「労働保険料等納入証明願」を作成し、未納がないことを証明することで、「領収通知書」に変えることができます。
また、この「労働保険料等納入証明願」については、必要枚数+1枚(労働局控)を事業者側で作成する必要があります。
また、郵送で交付希望の場合は、返信用封筒(84円切手貼付)を同封して郵送することになります。
以下、大阪労働局から公表されている「労働保険料等納入証明願」の記載例を掲載しておきますので、参考にしてください。↓
<参照:大阪府労働局ホームページより一部抜粋>
労働保険概算・確定保険料申告書の控がない場合
こちらも本来は控えを保管しておくべきものではありますが、「紛失している場合はどのように証明すればよいのでしょうか?」と相談を受けることもあります。
この場合でも上記場合と同様に、「労働保険概算・確定保険料申告書の控」の再交付の申請をする必要があります。
こちらも、大阪労働局長に対して、再交付申請を依頼することで発行してもらうことが可能です。
そのため、雇用保険に適切に加入しているケースでは、控えを紛失していたとしても、少し手間がかかりますが、証明書類を揃えることが可能です。
雇用保険事業者整理番号は273から始まる
例えば大阪の場合、雇用保険事業者整理番号は「273」から始まります。
「271」から始まる番号もありますが、こちらは雇用保険の事業者整理番号ではありませんので、こちらの番号のものを建設業許可申請時に提出した場合は、不備となり受け付けてもらえませんので、注意が必要です。
※ただし、一括して申請している場合は「271」から始まりますので、自身がどのように申請しているか確認が必要です。
建設業許可には雇用保険の確認資料以外にも多くの書類が必要
上記で記載した確認書類は、雇用保険に加入しているかどうかを確認する資料になります。
その他、「常勤役員等(経営業務管理責任者)」「専任技術者」等の条件を疎明する資料等を提示することも必要になります。
「常勤役員等(経営業務管理責任者)」「専任技術者」については、以下の記事で詳しく解説をしているので参考にしてください。↓
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まとめ
今回は建設業許可に必要な雇用保険の確認資料について考えてきました。
建設業許可は上述した通り、多くの書類が必要になるため行政書士に相談することも有効な選択肢の一つになります。
今回の記事が建設業者の方の参考になれば幸いです。
建設業許可取得までの具体例は以下の記事で解説しているので参考にしてください。↓
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