帰化をして日本国籍を取得するためには、法務局へ帰化申請をしなければなりません。
帰化申請をするためには、日本の役所などで必要書類を取得し、領事館や大使館、必要があれば自身の国籍のある本土で書類を取得する必要があります。
今回は、帰化と帰化申請について考えていきます。帰化申請を検討している方の参考になれば幸いです。
帰化とは?
帰化とは一言でまとめると、日本国籍を取得することをいいます。
また、帰化には国籍法で普通帰化、簡易帰化、大帰化の3種類が規定されています。
この3つの帰化の違いは、帰化するための条件(要件)が異なっているということです。
外国国籍の方が帰化をする時には、まず自身が普通帰化の要件に当てはまるのか?または、簡易帰化の要件にあてはまるのか?ということを把握することが必要になります。
大帰化に関しては、要件が「日本に対して特別に功労実績のある外国人に対して許可される」ということが唯一の要件になっていますが、現在まで許可された前例はありませんので、一般的には普通帰化か簡易帰化のどちらかで帰化をすることになります。
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帰化申請とは?
帰化申請を一言でまとめると、外国人の方が日本人になるためにする申請手続きを言います。
つまり、帰化をするために帰化に必要な書類を収集・作成し、申請先である法務局へ書類を提出する手続きのことです。
在留資格、帰化ともに許可権者は法務大臣ですが、永住権などの在留資格の申請は出入国在留管理庁へ申請、帰化申請は法務局への申請となっていますので、申請先が異なることには注意が必要です。
また、「許可」という言葉がでてきますが、法律用語では帰化は「特許」と呼ばれ、帰化の許可・不許可に関しては法務大臣の裁量が強く反映されますので、帰化の要件を満たしていれば確実に帰化の許可が降りるというわけではありません。
帰化申請は、在日韓国・朝鮮人の方々や、留学で在留資格を取得して日本に来日した後、日本人と結婚した外国人の方、日本で就労している外国人の方の多くが、毎年日本国籍の取得のため帰化申請をしています。
ちなみに、年間で約1万人程度の方が帰化申請を行い、帰化の許可を得ています。
帰化申請をする方法は?
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帰化申請の条件は?
帰化申請をするための条件にはいくつかありますが、代表的なものを上げてみます。
1、住居要件
国籍法には「引き続き5年以上日本に住所を有すること」と規定されています。つまり、継続して5年以上日本に住んでいることが要件になります。
したがって、3年間日本に住んでいて、1年間海外に住み、その後2年間日本に住んだ場合では、日本に住んでいた期間は5年でも、1年間の空白がありますので、引き続き5年という要件は満たしておらず、帰化申請をすることはできません。
この場合は、海外から帰ってきてから引き続き5年になりますので、海外に行く前に日本に住んでいた3年はリセットされます。
上記要件は、普通帰化の場合に当てはまりますが、簡易帰化の場合は、居住要件が引き続き5年から3年や1年に緩和されています。
居住要件が満たされていないことに気づかずに、帰化申請を進めてしまう方もいますので、帰化を検討した場合は自身の居住歴も確認することを忘れないようにしてください。
普通帰化のイメージ
一般的な外国人の方をイメージしてください。
ここでの一般的な外国人の方という意味は普通に外国で生まれて、留学や就労などで日本来て、そのまま日本に滞在して生活を送っている外国人のことをいいます。
簡易帰化のイメージ
日本で生まれた在日韓国人・朝鮮人の方や日本人と結婚している外国人の方などのことをいいます。(厳密にいうと、他にも簡易帰化に当てはまる方はいるのですが、今回は代表的な方を記載しておきます。)
2、生計要件
一言でまとめると、生計は成り立っているのか?ということです。
一ヶ月の給与などの収入に対して、ローンなどの返済額が上回っていないことなどが必要になってきます。
正当な理由がなく収支がマイナスの場合は帰化申請ができないこともありますので、注意が必要です。
3、素行要件
一言でまとめると悪いことはしていないのかどうか?ということです。
例えば、帰化申請をするにあたっては、きちんと税金や年金などを支払っているのか?前科はないのか?頻繁に交通違反などは起こしていないのか?ということが確認されます。
交通違反に関しては、過去5年間の運転記録証明書を取得して、帰化申請の際に提出する必要があります。ただし、駐車違反等が1、2度であれば申請はすることが可能です。
もちろん交通違反は無いにこしたことはありませんが。帰化申請をするためには、上記要件以外にも能力要件、喪失要件、思想要件、日本語能力要件などを満たしている必要があります。
帰化申請の条件を考える前に理解しておくことは?
上述した通り、帰化申請をした後に帰化の許可・不許可を決定は法務大臣の裁量に任されています。
帰化申請は「許可」ではなく「特許」であるので、建設業の許可や飲食店営業の許可のように要件を満たしていれば、許可が降りるという訳ではないことを、知っておくことが大切です。
つまり、帰化申請の書類を法務局へ受理させることだけを考えて、帰化の書類を作成してはいけないということです。
なぜなら、帰化申請後2〜3ヶ月後には帰化の担当官との面接があり、そこで申請した書類の内容などから質問を受けます。
この時に、矛盾や疑義が生じてしまうと、帰化申請の要件は満たしているのに、帰化の許可が降りないといったことが起こってしまいます。
帰化申請においては条件(要件)を満たすことも大切ですが、なによりも正直に書類等を作成することができるのか?ということも大切になります。
また、帰化をして日本国籍を取得するために、帰化申請をした場合は帰化の許可・不許可が決定するまでに約1年程度の期間がかかります。
つまり、何らかの理由で日本国籍を取得したいと考えた場合、どの時期から書類を収集・作成しなければならないのかを逆算して、計画を立てて進めていく必要があります。
帰化申請をするための書類は数多くありますので、その期間も計算して効率的に進めていくことが大切になります。
したがって、帰化の許可・不許可はすぐには決定しないということを念頭においておかなければなりません。
まとめ
帰化をするためには、必要書類を収集・作成して帰化申請をしなければなりません。毎年、帰化申請をする外国国籍の方は約1万人程度いらっしゃいます。
就職、結婚、教育環境など様々な理由で帰化をしたいと考える方がいらっしゃいます。
帰化をするためには、帰化に必要な書類を集めて、法務局へ帰化申請をする必要があります。
また、この帰化申請から帰化の許可が降りるまでは、約1年程度かかりますので、その間に国外に出国したり、交通違反を起こしたりした場合は、法務局の担当官に直ちに連絡をしなければなりません。
つまり、帰化申請の要件(条件)を満たしていても、必要な連絡しない場合や、申請した書類の内容と矛盾したことがあった場合などは帰化の許可が降りないことがありますので、帰化をする時は矛盾が生じないように誠実に帰化申請をすることが求められます。
今回の記事が帰化申請を検討している方の参考になれば幸いです。
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